北京オタクな旅1
 
※一般の旅行者にはほとんど役に立たないことばかり書いていますので、そのつもりで読んでください。

(2006年6月12日〜22日)

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●5年ぶりの北京  
 中国の北京に5年ぶりに行ってきました。
 北京は若いころ、1980年と、1982年から1984年まで中国語学習のため暮らした街です。
 北京では2008年にオリンピックが行なわれるので、今、競技場などが急ピッチで建設されているそうです。それなので、時間を開けて行ったほうが、色々なものができていたりして変化があって、驚きも大きいかと思って、わざとこの5年間行かなかったのですが、行ってみて拍子抜け。競技場などが建設されているところへ行けば、変化もあったと思うのですが、そういう場所はえてして郊外。中心部の繁華街などを見ている限り、変化はゼロ(笑)。まったくといっていいほど、変わっていませんでした。書籍など、色々買いたいものもあったのを我慢していたので、こんなことなら、もっと早くに行っていってればよかった!とかなり後悔しました。ただ、デパートやショッピングセンターなど、建物の外見はまったく変わっていないものの、なかで売っている商品の質は、5年前より、格段に上がっていました。

北京で最も有名な繁華街、王府井(ワンフーチン)の大通り。

   
●思い出の場所@北京飯店  
 右上の写真の王府井の南西角にあるのが、北京飯店。“飯店”とは「ホテル」のことです。
 この北京飯店には、若いころ住んでいたとき、本当によく行きました。なぜかというと、喫茶スペースと名前無しの日本食のレストランがあったのです。当時は、街なかに喫茶店はゼロ。王府井に買い物に来た帰りに喫茶スペースでひと休みするのが、外国人学生の常でした。また、あとで詳しく書きますが、1984年当時、日本食レストランは3軒しかなく、そのなかで、ダントツに安かったのが、ここだったのです。
 何回か改装が行なわれていますので、その喫茶スペースと日本食レストランはとっくの昔になくなっています。しかし、それでも、やはり思い出深いホテルであることに変わりはありません。
 また、建物は20階以上はあると思うのですが、今でもこの付近で結構、高い建物であることは変わっておらず、当時なら、群を抜いて高い建物だったんだな、という思いを新たにしました。

北京飯店のメインの入口。
   
●オタクなおすすめスポット@
故宮の外側の北東角
 
 北京の中央にドンとあるのが、故宮。
 映画「ラストエンペラー」で有名になった、昔の宮殿です。
 この故宮の塀の外側、北東角から写したのが、右の写真です。筆者はここからの眺めが大のお気に入り。
 ここに立つと、昔の庶民の人々は、どんな気持ちで、塀のなかを思ったのだろうかという感傷にとらわれます。故宮は左右対称なので、北西角から見ても、同じはずなんですが(笑)、まわりの景色のせいか、北東角からのほうがいいんです。
 故宮北門(写真の右側の黄色い屋根)から歩いて5分ぐらいです。
   
●オタクなおすすめスポットA前海、后海  
 筆者が、北京でも最も好きな場所のひとつ。
 もし、自由旅行などで北京に行かれる方があったら、ぜひ訪れてみてほしいのが、前海と后海です。「海」と書かれていますが、要するに大きな池。周りには最近、「カフェ」ができたり、観光客目当ての、人力車ならぬ人力自転車の客引きがえらくうるさいのですが、基本的には静かな住宅街。北京で、おそらく、最も古都としての「情緒」を感じさせてくれる場所です。人力自転車は無視して、池の周りをそぞろ歩けば、しっとりとした、奥深い北京が味わえます。

前海のいちばん南から撮影。
   
●思い出の場所A
北京で最も古い日本料理店「白雲」
 
 ここは完全に個人的思い入れ、かつ超オタクな場所です。1984年当時、北京にある日本食レストランは3つでした。北京飯店のもの、建国飯店というホテル内にあった「中鉢(なかばち)」、そしてここです。そのうち、北京飯店のものと中鉢はホテルの改装などでとっくになくなりましたので、今、北京で最も古いのがここになりました。記憶が薄れているので、店員さんに聞いたら、開店は1982年。友好賓館という小さなホテルのなかにあります。
 ただ、昼食時に行ってみて、当時は日本食レストランが少なかったため、大いににぎわったこのレストランも、時代の波のなかで、風前のともしびとなっているのを痛感しました。12時から13時までお客さんは筆者一人(笑)。店員さんに聞くと、今は実質、ホテルに泊まる団体客相手の営業となっているそうです。というのも、ここは、繁華街からほど遠い、完全な住宅街のなかにあって、場所が恐ろしく不便なのです。北京出身のタクシー運転手さんでも、友好賓館と聞いてわかる人は、それほどいないと思います。
 もし、なにかの機会で利用する方(いるのかっ!?(笑))がいましたら、北京でいちばん古い、という、この事実だけをちょっと思い出してください。内部も老朽化が激しく、わざわざ行く価値はありません。

入口。住所:東城区交道口后圓恩寺胡同7号 友好賓館内 電話6403−4003。わざわざ行く場合は、電話で営業を確認したほうがいいです。電話はレジにあった名刺に書かれていたものなので間違ってたらごめんなさい。なお、レストランへ行くには、まず、ホテル入口の門番詰め所で、白雲に行くという旨を告げる必要があります。


焼き魚定食35元。魚はあらかじめ焼いたものを冷凍し、それをレンジで温めたものらしい。でも、ヒネショウガとレモンもついていた。左上はタコの酢の物、その隣はキャベツサラダ、おしんこ。
   
●思い出の場所B中央戯劇学院  
 ここも、完全にオタクな場所です。
 友好賓館のある路地から4本南の、東棉花胡同という路地にある、演劇専門の大学です。
 1984年だかに一度だけ訪れたことがあり、友好賓館から近いので、今はどんな様子なのかと見に行ってみました。写真は昔の門。西側に立派な新しい門ができてました。守衛さんがいたのでなかには入りませんでした。
 実はこの大学は、映画「HERO」や「インファナル・アフェアV」に出演した、チェン・ダオミン(陳道明)さんの出身校でもあります。筆者は彼のファン〜〜〜〜!(笑) ということで、再度見に行ってみたかったのです。 
   
●増えていた、気軽に入れる日本食ファーストフード  
 さて、白雲のあまりの凋落ぶりにすっかりうなだれてしまいましたが、その一方で、繁華街では、気軽に入れる日本食のファーストフード店が大いににぎわっていました。
 おなじみの、牛丼の「吉野家」は、最もシンプルな“牛肉飯”(牛丼)が約11元。マクドナルドなどと同じようにカウンターでお金を払って受け取ります。なお、紅しょうがは有料(笑)で1元。
 「面愛面」は、「日式骨湯拉面」の店とあり、“日式”は「日本式」、“骨湯拉面”は「とんこつラーメン」のことです。店員さんが席に注文を聞きに来ますが、先にお金を払います。最もシンプルなとんこつラーメンが12元。面白いのが「こってり」は15元と高いこと(笑)。メニューに日本語あり。
 これらの店の特長は、店内が普通の店より、ちょっとおしゃれで清潔なこと。若者に受けているようです。値段も、味や店の雰囲気を考えると、決して高い部類には入らないと思います。吉野家は色々なところにありましたが、かなりはやっていました。
 また、右下の写真のように、とうとう北京にも、回転寿司が登場。値段は決して安くないのですが、ものめずらしさで、こちらもはやっていました。会員になると(笑)、割引があるらしいです。


   
●地下鉄13号線  
 北京では、地下鉄の建設も進められていますが、数年前に開通したのが、13号線です。
 乗ってみたら、地下駅は「西直門」と「東直門」の駅だけで、あとは地上を高架線で走ってました。2号線からの乗り換えは、いったん改札口を出て、いちど地上に出る必要があります。
 驚いたのが、13号線は完全に自動改札だったこと。昔の北京を知るものとしては、ひえ〜〜〜〜〜〜〜!(笑)。また、駅も、写真のように、日本の駅となんら遜色ありません。トイレも各駅にあるようです。はじからはじまで乗ってみたのですが、途中、別荘風の1戸建て住宅やゴルフ場なども見え、またまた、ひえ〜〜〜〜〜!(笑)
 ちなみに、地下鉄とバス共通の磁気カードが登場してました。これを持っていれば、いちいち切符を買う必要がないんです。地下鉄では日本同様、改札機にかざし、バスでは、乗り口の柱に読み取り器があります。
 そのかざす姿を見ていて、ああ、北京の人も、とうとうこういうことができるようになったんだなぁと感慨深いものがありました。年寄りの感傷ですかね(笑)。 

五道口駅。
 

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