●退色した人形を染めてみる  

 

●染料「Rit」
 
お人形に関し、前々から考えていたことのひとつに、退色したお人形をなんとかできないか、というのがありました。ボディはプラスチック(?)なのか、退色が見られないのですが、ソフトビニール(ポリ塩化ビニル?)である顔や手脚が黄色っぽく退色(変色?)しているんですよね〜。
 ある日、ネットで検索をしていると、塩化ビニールも染められる「Rit」という染料があることを発見! それでユザワヤに行ってみたら運よく置いてあったので、さっそく買ってみました。ついでに100円ショップで、液を入れるお弁当箱大の密閉容器も購入。

 で、説明書を見てみると、こうした染料は普通、衣服を染めるのに使うので、お人形を染めるには、どれぐらいの分量を使ったらいいかなどは書いてないんですよね〜(笑)。ま、これは当然でしょう。それで、仕方なく適当に(笑)試してみることに。

 



染料「Rit」。アメリカ製。輸入元:マックスポイント
こちらこちらなどで販売。パウダータイプとリキッドタイプがある。管理人が使ったのはパウダータイプの「ROSE  PINK」。パウダータイプといっても、粉ではなく顆粒状。

 

●チューリーちゃん
 
 まずやってみたのが、チューリーちゃんです。
 胴体がピンク色なのに較べ、顔と手脚がかなり黄色というか薄茶色になっていました。また、顔のほうが手脚に較べ茶色が濃く、しかも黄緑色っぽかったです。
 なお、やる前は、顔は失敗したら大変なので、とりあえず手脚をやる予定でした。
 
 
 染料を溶かすにはお湯70℃以
上と書いてあるので、密閉容器にほぼ沸騰したお湯を入れ、少し待つ。そこにまず、アイスクリームを
買ったときついてきたスプーンで2杯入れてみました。さらに少し冷
まし、あらかじめ石鹸で洗った手脚をドボン。
 なお、お湯の温度は温度計などは使っていません(笑)。指を突っ込んでみて、だいたいの感覚でやっています(いいのか?)。
  右がその状態です。
 で、5分ほど待ったのですが、全然染まっている様子がないので、さらにスプーン3杯ほどを入れました(笑)。
 
 右がそのときの液の色です(手脚はすでに引き上げた状態)。かなり濃い!
 で、10分弱待つと、染まっていました!
 
 染めた後の手脚をボディにつけてみました。なお、顔もすでに染まっています。
 手脚は、まったくの偶然なのですが、わりとうまくいったと思います。黄色っぽさが消え、ボディの色とすごい違いはなくなりました。
 
 手脚がわりとうまくいったので、調子に乗って顔もやることに(笑)。
 最も心配だったのは、白目も染料で染まってしまうのではないかということでしたが、有名な染料「ダイロン」で染めてみたという記事をネットで見つけ、問題ないようだったので、この染料でも大丈夫だろうという憶測のもと、右のように顔もドボン。
 なお、髪の毛が染まることは覚悟していました。
 
 これは染色前です。
 手脚もまだ染めていません。
 こちらが染色後です。
 5分弱つけたと思います。
 顔は手脚のようにはうまくいきませんでした。
 腕もすでに染めていますので、顔と較べてご覧ください。
 顔は、手脚より退色(変色)がひどかったのと、同じ塩化ビニールでも、手脚とは原料の配分などが違うのかもしれません。
 ピンク色というより、ちょっとオレンジっぽい少し薄めの茶色になったという感じです。この段階で、これ以上染めると完全な小麦色の肌になりそうだったのでやめました。
 また写真ではハッキリしないのですが、もともとの顔に色むらがあったのか、薄いところ濃いところがあります。
 ただ、嫌だった黄色っぽさ、黄緑色っぽさはなくなりました。
 しかし、これらのことはしょうがないですよね。
 ペンキのような塗料なら、黒を白にすることはできますが、これは染料。しかも、製品の箱に出ている色は、真っ白なものを染めた場合ですから。手脚も箱の色ではなく、もとの色と染料が入り混じったようなサーモンピンクです。
 なお、白目には影響は無し、唇は肌が濃くなった分、薄く見えます。また、髪は、染料で染めたということを前提によく見るとわかるのですが、言われなければわからないと思います。

 やってみた感想ですが、
・染めは、時間に比例して染まっていくのではなく、ある時間が来ると一気に染まる感じ。今まで肉眼で見えなかったのが、突然見えるということなのかも。したがって、染まらないからと長時間放置するのは危険(笑)。濃く染まって取り返しがつかなくなるかも。
・液から引き上げて液がついた状態と、ティッシュペーパーなどで拭いた状態、また水洗いして乾かした状態では色が違って見える。状態による色の違いに強くないと希望の色にするのが難しい。
・染めたあと(汗)、輸入元に電話して聞いたのですが、塩化ビニールの場合、劣化などを防ぐため、お湯は低温で時間をかけて染めるのがいいそうです。 

 

 

 

●モッズ・バービーちゃん
 
 チューリーちゃんから約1週間後。今度はモッズ・バービーちゃんをやってみました。
 モッズ・バービーちゃんは手脚がはずれそうにないので、顔だけです。
 右が染色前です。
 モッズ・バービーちゃんの場合、やはり黄色くなっているのですが、チューリーちゃんに較べ、色が薄く、象牙色に近い感じでした。
 お湯の温度や染料の分量などはだいたい同じで、今度は2、3分です。
 
 モッズ・バービーちゃんの場合、顔の色が薄かったのか、これもまったくの偶然なのですが、わりとうまくいきました。顔色の悪さが消え、ボディとの違和感も少なくなりました。
 ただ染まった色は箱の色ではなく、やはり黄色とピンクが混じったようなサーモンピンクです。
 


染色後の二人を並べてみました。二人の胴体の色がかなり違います。
モッズ・バービーちゃんの顔がわりとうまくいったのは胴体もサーモンピンクのような色だったせいがあると思います。

 

   
   
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