旅 雑記

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■アメリカ2  
●アメリカの人々は「サラダボウル」?  
 2000年、勉強のためにずっと暮らしている日本人の友人の部屋に泊めてもらいながら、ニューヨークには2週間滞在しました。泊めてもらったところから、雑誌やテレビでよく知られる、高層ビルが建ち並ぶマンハッタンまで、地下鉄で20分ぐらい。毎日、地下鉄に乗り、ニューヨークの街をひたすらブラブラ。
 そのうち、地下鉄のなかや街を歩く人々を見て、あることに気がつきました。
 それは、友人関係と思われる人々、特に中学生や高校生ぐらい、あるいは若者に多いと思うのですが、白人は白人同士、黒人は黒人同士一緒に歩いていることが多いということです。気になったので、そのことを友人に言ったら、彼女もやはり同じように感じている、と言うのです。
 昔、アメリカについて書かれた本にこんなことが載っていました。
 アメリカには、多くの人種、民族の人が住んでいて、人々は、アメリカ人として「同化」していったのですが、その同化の仕方を説明するものに、昔は「人種のるつぼ説」があり、これは、いろいろな金属があたかもポットのなかで溶けていくようものだとするもの。これに対し、1920年ごろから、サラダボウルのなかの野菜は、混じりあうが、決して溶け合ったりはしない「サラダボウル説」が出てきたのだそうです。
 そうか、やっぱりアメリカって、「サラダボウル」なのかぁ、と思いました。 
 カップルなどを見ても、たとえば、二人とも色が白く金髪で背が高く、外見がそっくり。やっぱり自分と同種の人がいいのかなぁとか、そんなことが気になってきました。
 また、チャイナタウンなどは、右を見ても左を見ても中国系の人ばっかり。レストランのなかも当然、中国系の人で占められているのですが、そうでない普通の街でも、スターバックスのようなテイクアウトのコーヒーショップは違うのですが、歩道に椅子とテーブルを出した、若者が集うようなおしゃれな店のなかには、みごとに白人ばかり、それも、色が白く背の高い、アングロサクソン系の人しか座っていない(ように見える)店もあったりするのです。
 英語のまったくできない筆者は、日本人の友人と行動をともにするよりしかたがないのですが、ふと、考えました。
 もし、自分が英語に不自由せず、留学でも駐在でもなく、一市民として、アメリカでずっと暮らすことになった場合、どういう人々と友人になっていくのだろうかと。やっぱり、日本人、日系人の友人と付き合うようになるのかな? もし、そうであるとしたら、そうなる原因はどこにあるのだろうかと。

 
●いやぁ、アメリカの食事はつらいっす
 
アメリカに実際に行ってみるまで、食事でこんなに苦労するとは思ってもいませんでした。日本人の食生活もすっかり「欧米化」「西洋化」し、脂肪分の摂りすぎが問題になるぐらいですし、筆者も自分ではかなり「洋食」が好きな人間だと思っていたのです。
 おそらく、一人旅ではなく複数で旅行し、英語もよくでき、お財布のなかが豊かな人々には(笑)、それほど問題はなかったかもしれないのですが、筆者の場合は、その正反対。友人が付き合ってくれる以外、いつも一人で、そして英語は全然っ(笑)できないのです!
 一人だと、日本でも結構そうですが、ちゃんとした構えのレストランというのは、かなり入りにくいものです。ましてや、初めてのアメリカ。まずなにより、日本料理、韓国料理、中華の店以外は、店構えを見ただけでは、何料理の店なんだかまったくわかりませんっ! 店によっては、外にメニューを出しているところもあるのですが、見たところで……筆者には理解不能。また、何料理の店かわからないだけでなく、外見だけでは、店のランク、言い換えれば、いったいいくらぐらいの値段を取られるのかが、これまた、まったくわからないのですっ!
 というわけで、自然と「レストラン」は敬遠することになり、ファーストフードのランクの店に行くことになるのですが、折りしも行ったのは寒い季節! もちろん、マクドナルドはいたるところにあるのですが、いくら本場のマクドナルドとはいえ、海外に行ってまで、あそこでハンバーガーを食べるのは情けないものがあります。
 それで、マクドナルドは避け、ファーストフードのクラスの店となると、あとはサンドイッチ屋さんとなるのです。
 しかし、コートの襟を立てるような季節に、冷たいサンドイッチを食べるというのは、最初はまだいいのですが、そのうち、嫌になってきました。
 これが日本なら、一人でも入りやすいラーメン屋さんや蕎麦屋さんで熱々のを一杯となるのですが、場所はアメリカですから、そうはいきません(笑)。
  そして、気がついたんですね。アメリカには、日本や韓国や中国、ベトナム、タイなど「アジ
ア」「東洋」では当たり前にある、汁が温かく、身体がホカホカする麺類や鍋料理がない!ということに。
 アメリカに住む友人に聞いてみたところ、汁があって、身体が暖まる料理というと、アメリカにあるのは、せいぜい、冬に出回るクラムチャウダーぐらい。あとは副菜として飲むスープだけになってしまうそうです。
 
 というわけで、しかたありません。食べました、毎日一食は、サンドイッチを(笑)。
 もちろん、一切れだけでもたのめる、セルフサービスのピザ屋さんや、同じくセルフサービスで、中華の炒め物や海苔巻からスパゲティまで数十種類の惣菜を並べて、好きなものを好きなだけ発砲スチロールの容器に盛っていけるバイキング形式の店もあるにはあるのです。ただし、こうした店があるのは大都会のニューヨーク。筆者がアメリカ旅行二度目に訪れたボストンは、小さな町で、需要が限られてしまうのか、歩いた限りでは、バイキング形式の店は皆無でした。
 しかし、アメリカ北東部は秋でも充分寒く、それなのに、身体を暖める温かい汁料理がないというのは本当に不思議です。そして、もちろん毎食ではないでしょうが、みんな食べてるんですよね、寒い季節に冷たいサンドイッチを。
 以前、アメリカに留学した人が書いた本に「アメリカ人は、三食の食事を、栄養補給のための面倒くさい作業としか考えていない。友人の○○は毎食、マクドナルドでハンバーガーとコーラをとって、なんの痛痒も感じていない」とありました。
 アメリカを旅行し、本当にそれを痛感しました。友人のアメリカ人も、本当にそうで、ハンバーガーとコーラ、サンドイッチとコーヒーの組み合わせを毎食繰り返しています。
 日本はすっかり「西洋化」していると思ってたんですが、やっぱり違うんですよね。そして忘れかけていた「東洋」と「西洋」という言葉を思い出しました。
 それにしても、冬に食べるサンドイッチは嫌だ!!!!(笑)。
 
 

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