雑記――子供のころの思い出

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●「ダメおやじ」のバッヂ (2007年1月上旬)
 大人になってからはまったく読まなくなってしまいましたが、筆者も子供のころは、漫画大好き少女でした。ほかの女の子がどうだったかわかりませんが、少女漫画だけでなく、男の子向けの漫画も愛読していたものです。
 そんなある日、どの漫画にだったか忘れてしまったのですが、『週刊 少年サンデー』(小学館)宛てに、読んだ漫画の感想を書いて送りました。感想といっても、ハガキに3、4行、ミミズののたくったような字で、「新しく登場した〇〇はなかなかよい」とか「今週のストーリーはつまらなかった」程度のものです。それからしばらくすると、家の郵便受けに、茶色の、確かかなり粗末な(笑)封筒が入っていました。封筒には、「少年サンデー」の文字があったと思います。なんだろうと思って開けてみると、入っていたのが、写真の「ダメおやじ」(古谷三敏さん漫画、1970年〜1982年連載)のバッヂだったのです!
 これに、子供だった自分が狂喜したことは言うまでもありません。当時そんな言葉は知りませんでしたが、これが「非売品」(笑)だということもわかりました。封筒のなかには、「感想をありがとう。これからも『少年サンデー』をよろしく」というような手紙も入っていました。
 バッヂも嬉しかったのですが、いちばん感動したのは、あの程度の感想を書いた子供の自分に、ちゃんとお礼が来たことです。
 大人になって捨ててしまったのか、家のどこかの押し入れ深く眠っているのか、今はもう、手元にないのですが、その後も、ほかの漫画雑誌にもたまに感想を送っていました。すると、そのしばらくあとだったか、翌年のお正月だったかに、感想を書いた漫画の先生からは、必ずサイン入りのハガキが届きました。今、記憶しているの


は、「ベルサイユのばら」で有名な池田理代子さんと、「サーキットの狼」(『週刊 少年ジャンプ』(集英社、1975年〜1979年連載)の池沢さとしさんです。池田理代子さんからは2年続けてきたと思います。
 子供心にこうした読者への対応にはすっかり感心しました。今はどうか知りませんが、おそらくその当時、感想をくれた読者には、必ずハガキやプレゼントを送ることという決まりがあったのでしょう。また、子供が書いた感想でも非常に重要で、きっと、それによってその後のストーリーを修正したりするのだなということも、子供ながら予想ができました。
 30何年前にもらったバッヂは、大人になってからも、シャネルのイヤリングなどと一緒にアクセサリー入れにしまわれ、今でもこうして残っています。

 

   
   
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